バリと京都を2週間づつ暮していらっしゃる、秦泉寺由子さん。 バリへは、20年程前に、ご家族の仕事の関係で訪れるようになったそうです。 以下は、「点心」でのお話を記しました。 「青竹染めは季節によって色が変るのか」と、多くの質問を受けるが、 一日の中でも、刻々と変る大いなる自然の中で、季節というものの捉え方をしたことがない。 また、青竹からのイメージで、緑色に染まるのではと思われるが、木の色はほとんど茶色になる。 媒染は、藁灰・石灰・ミョウバンを使っている。 絹の産地については、今は産地の違いがなくなってきている。 自分はキルト作家であって、染色家ではないが、植物染料に興味を抱き、知りたいと思うことを、探究心の赴くままやってきた。 植物は光合成によって色素がつくられるので、赤道直下のバリは光合成が豊かで発色が良く、植物染料の宝庫である。 白いものを白く染める植物染料探しを続けてきた。あらゆるものを試してみたが、どれも白に染まらなかった。 ふと、目の前の竹を使ってみたら、なんと白に染まった。バリの工房は、豊かな竹林が広がっていたのに、やっと竹に辿り着いた。 不思議だなぁと思うことが分ると、本当に嬉しい。 名古屋ドームで開催の世界キルトカーニバル名古屋2005では、1,700mの布を、上からたらす。 初めての試みなので、どんなふうになるか、とても楽しみである。 |
今回展示の着物は私物で、見せるために展示。 天然染料を美しく見せるためのテクスチャーとして、凹凸を出すのに、京都の本疋田(ひった)絞りで 打敷(うちしき・・・仏さんに納めるもの)を作った。 2年間のプロジェクトで、着物の分量12mの布を、灰汁で精練。(せいれん・・・蚕の糸に付着している糊状の物を取ること) 着物一反分、おくどを造るところから始める。灰汁で取ると美しい布になるが、昨今は苛性ソーダでやるから、黄ばんだものになってしまう。 疋田(ひった)絞りに、1年かかった。65歳の女性にしてもらったが、起伏が激しいととムラが出るので、 絞りの粒を揃えるのに、若い女性ではできない。 疋田(ひった)絞りは、歴史があるから、やってみようと突き動かされた。着物は、お寺に奉納する。 |
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